大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)251 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人津田勍、同池口勝麿の上告理由第一点について。

所論は、上告人の第一審及び原審における訴訟代理人の訴訟代理権の欠缺をいう

が、記録を検するに訴訟委任の手続は、すべて適式に行なわれていることが認めら

れ、所論欠缺を疑うべき点は見当らないから、論旨は採用できない。�

同第二点について。

所論調停条項は、調停の成立した月の賃料は兎に角として、その余の各月分の賃

料は、各当月一〇日までに支払う趣旨のものであるとした原審判断は正当として是

認でき、そのように解することに所論経験則違背があるとは認められない。それゆ

え論旨は採用できない。

同第三点について。

所論は、原審で主張しなかつた事実を前提として判断の遺脱をいうものであるか

ら採用できない。

同第四点について。

上告人が被上告人の承諾を得て本件家屋を転借したものであるか否かについては、

原判決は特に判示するところはないが、かりに承諾を得て転借したとしても、賃貸

人と転借人との間には、そのために直接の契約関係を生ずるわけのものではないか

ら、賃貸人が賃料債務の不履行を理由として賃借人との間の契約を解除しようとす

る場合、転借人にも通知又は催告した後でなければ適法にそれをなし得ないと解す

べき理由はない。そして賃貸借契約が消滅すれば、転借人の目的物の占有使用は、

賃貸人に対し無権限となるから、転借人は、賃貸人からの明渡請求を拒むことはで

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きない。この点に関する所論並びに信義則違反、権利濫用等の論旨は独自の見解で

あるから採用できない。�

なお、賃料債務不履行による賃貸借契約解除権の発生を判断するにあたり、裁判

所は、所論信頼関係の破綻にも言及し判示しなければならぬわけのものではないか

ら、この点に関する論旨も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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